赤ちゃんを包む20色の夢 ママのお腹に幸せペイント
見てください、カラフルで大きなお腹を。青い空がある。花も咲く。イルカも泳ぐ。妊婦のお腹に絵を描く「ベリーペイント」は、妊娠を祝って記念に残すため描かれるボティーペイントの1つで、欧米などでは盛んに描かれている。安産祈願の意味も込められているという。
豊中市の北野産婦人科は、2011年夏からベリーペイントを始めた。「記念になる。子どもにお腹の中にいた時のことを話してやれるし、夢がある」と院長の北野宏幸さんは話す。絵を描くのは門真市の佐渡絵美さんで、「赤ちゃんがお腹にいる時の幸せな気持ちを、ずっと残してほしい。子育てに疲れた時、この絵を見て元気を取り戻してほしい。そのお手伝いをしたい」と話している。
佐渡さんはユニバーサル・スタジオ・ジャパンでフェースペイントの仕事をしていた。病院の院長が集まって2006年から開いている「お腹の中からの子育て」をテーマにしたマタニティーカーニバルで、北野さんに出会った。
佐渡さんは約20色の肌用の水性絵の具を使い、妊婦の要望を聞きながらイメージを膨らませ、両親の赤ちゃんへの思いを絵に込める。絵の具は入浴すれば落ち、人体への影響も無いという。
2週間後が予定日だった浜谷絵梨さんは「描いている時はお腹の下半分が見えなかったけど、何て可愛いの!」と完成した絵を見て満面の笑みを浮かべた。33週目だった佐藤恵美さんは「ビックリした。すぐに消えるのはもったいない」と言いながら、長男の和哉くん(3)に「ここに弟がいるんだよ」と話していた。31週目の藤澤里佳さんは「描いている時、何度か動いた。生まれた子に『ここに居たんだよ』と話してあげたい」とにっこり。大事そうに大きなお腹を抱える3人は、幸せの笑顔だった。(進藤郁美)
更新日時 2012/01/11