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90年前のピアノの音色 大阪大学会館に響く

1920年に作られたベーゼンドルファー製のピアノを前に対談する伊東信宏教授(左)とピアニストの小坂圭太さん

 2011年4月に耐震改修工事を行いリニューアルした大阪大学会館(旧イ号館、1928年建築、登録有形文化財)に、大阪大学が開学したころに作られたピアノが設置され、11月4日にレクチャーコンサートが開かれた。
 このピアノは世界3大ピアノメーカーの1つ、オーストリアのベーゼンドルファー社が1920年に製作したもの。現在のピアノが88鍵(けん)なのに対し、低音に4鍵多い92鍵となっているほか、高音が金属を叩いたような独特の音色を持つ。コンサートではピアニストの小坂圭太さんが、シューベルトのピアノ・ソナタや、当時作曲されたバルトークの「ミクロコスモス」を演奏。200人を超える観客が、その音色に聞き入った。
 ピアノの購入にかかわった大阪大学大学院文学研究科の伊東信宏教授は「歴史ある建物にあったピアノを、アンティーク的な価値ではなく、実際に弾くことができる状態で置きたいと考えた。当時の曲は、当時のピアノによって作曲されているので、今のピアニストにもこうした古いピアノに触れた上で演奏をしてほしい」と話した。(礒野健一)

ベーゼンドルファー 大阪大学会館 伊東信宏

更新日時 2011/11/17


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