社会人落語日本一決定戦 3代目名人は高校教師
“落語のまち”を掲げる池田市で9月17、18両日、アマチュア落語家ナンバー1を決める「第3回社会人落語日本一決定戦」が行われた。17日は全国302人の応募の中から事前審査を通過した171人が、落語みゅーじあむなど市内6会場で落語を披露。プロ落語家の審査を経て、10人が決勝に進出した。
18日午後4時半から池田市民文化会館アゼリアホールで行われた決勝では、持ち時間12分の中で、それぞれの職業や体験を生かしたプロ顔負けのレベルの高い落語が披露され、会場は大きな笑いに包まれた。
3代目名人に選ばれたのは茨城県日立市の高校で国語教師をする斎須博さん(高座名・二松亭ちゃん平)。演目の「学校へ行こう」は経験を生かした創作落語で、不登校問題も取り入れた。生徒同士の思いやりをユーモアたっぷりに表現したネタは、「東日本大震災では全員が体育館に1泊した。その時に生徒が女の子や体の小さい子に優先的に毛布を渡すなど、自然と他人を思いやる光景が見られた」という経験も生かされている。
2位には新潟市の元警察官、入山隆さん(高座名・三流亭楽々)が選ばれた。演目の「白昼の交差点」は、新米警官と市民のやり取りをユーモラスに描いた創作落語だった。3位には枚方市の主婦、富島いづみさん(高座名・東家静香)が古典落語「権助魚」を表現豊かに演じて選ばれた。
大会総括を務める桂三枝さんは「去年は医者で今年は教師。それぞれの職業を生かしたプロにない視点があり、我々も刺激を受け、勉強になった」と評価した。(礒野健一)
更新日時 2011/09/20