逸翁美術館夏季展「銘のある茶道具」 7月9日開幕
池田市栄本町の逸翁美術館で8日、夏季展「銘のある茶道具」の開幕レセプションが行われた。この展覧会では、小林一三(逸翁)が集め、茶会で用いた道具の銘のある道具や、逸翁自身が銘を付けた道具の数々が、使うにふさわしい季節ごとにまとめられて展示されている。
「阪急」に通じるところから逸翁が好んで使った、江戸初期の茶人、藤村庸軒作の茶杓「半弓」や、茶碗の欠けた部分を別の破片で補う「呼継(よびつぎ)」の手法を用いて繕われた作品に、34カ所の切られ傷を負う歌舞伎の演目の主人公を重ねて逸翁が命銘した「与三郎」など、ユニークな銘を持つ茶道具が76作品並んでいる。
学芸主任の中川憲一さんは「銘を付けるというのは、茶道具に限ったことではなく、普段の生活の中で、自分が愛用するコーヒーカップや食器、グラスなどに、『どんな銘を付けようか』と考えるのも楽しいもの。そんな視点から作品を見てもらえたら」と話した。
夏季展「銘のある茶道具」は7月9日~8月14日に開催。午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)毎週月曜休館(7月18日は開館し、翌19日休館)。一般1000円、大学生・高校生600円、中学生以下無料。7月23日午後2時からは、裏千家今日庵文庫長の筒井紘一さんの講演会も行われる。問い合わせは逸翁美術館072-751-3865。(礒野健一)
更新日時 2011/07/08