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編集長のズボラ料理’(772) 豆腐とザーサイのゴマ油和え

トマトを加えて赤の彩りを添える

 神戸市に住んでいたことがある。中華街の南京町が気に入って、よく出かけた。
 しょっちゅう食べたのは、焼きそば。民生では必ず注文した。先輩の奥さんが「南京町で食べるなら、焼きそばは間違いない」と教えてくれたからだ。パリパリに焼いてあるのが、新鮮だった。神戸に住む前までは、焼きそばはベチャベチャしたもの思い込んでいたからだ。
 豚まんもよく食べた。小さいサイズの老祥記、大きな一貫楼や四興楼。大阪に変わって551の豚まんに接するまで、豚まんは神戸のイメージだった。
 焼き豚は新生公司の食紅の色が食欲を誘った。これは友人を訪ねる時の土産にもした。その場合は、カットしていない塊のものを選ぶ。どっちでもいいようなものだが、塊の方がインパクトある。見た目は大事なのだ。
 ギョウザもよく食べた。行くのは餃子苑に限られていた。みそだれが珍しかったからだ。ふつうのギョウザは三宮あたりにも専門店があったからだ。
 中華ちまきは堂記で買った。時には三宮の梅春園でも買ったが、堂記のものの大きさが魅力だった。
 ここまでで共通するものがある。みんな安いこと。北京ダックやら、フカひれの姿煮は食べなかった。高いからに決まっている。
 安いものでしばしば買ったものがある。それはザーサイ。行くのは決まって廣記商行だった。中国食品などを扱っている店。ザーサイは数個が丸ごと袋に入っていた。これが安いのだ。
 ザーサイが置いてあるのは地階だった。ほかの食材もたくさん並んでいて、いろいろ物色していると、店を出る時にはすっかり中国臭に包まれていた。
 豆腐は水切りをして、食べやすい大きさに切る。瓶詰めザーサイを用意して、少しカットする。ミニトマトも切って使う。ネギは細かく切る。これらをボウルに入れ、白だしとゴマ油で和える
 おなじみのザーサイは、少し緑が入ったくすんだ黄土色をしている。廣記商行もそうだったし、そんな色だと信じ切っていた。ところが遍路仲間で行った大阪市・梅田の中華料理店「青冥」で頼むと、緑と黄緑の間のきれいな色をしていた。ザーサイの常識が覆り、その後も仲間で行って注文することになった。ザーサイ恐るべし。(梶川伸)2024.11.21
 

更新日時 2024/11/21


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