このエントリーをはてなブックマークに追加

能楽「室町の仮面劇」 中2・小6の姉弟も舞台に

厳しい稽古を続ける嶺貴くん=大阪能楽会館で

 観世流能楽師の上田大介さんが4月23日、大阪市の能楽会館で「第5回フィールノウ自主公演 室町の仮面劇」を開く。大介さんの長女、静会(せかい)さん(覆正社中学校2年)、長男、嶺貴(りょうき)くん(泉丘小学校6年)ら子どもたちも舞台に立つ。

 フィールノウ企画は能楽を身近に感じてほしいと、大介さんが2000年につくった。「わかりやすい能」をコンセプトに、子どもたちのための能楽公演を手がける。

 2歳4カ月で初舞台を踏んだ静会さんは、幼いころは緊張からくるストレスで帯状疱疹が出たこともあった。今でも、舞台に上がる前は緊張して何度もトイレへ行く。それでも舞台に上った瞬間、「後戻りできない。頑張ろう」と演じきる姿に、静会さんを応援する人は多い。今回、次世代の能楽を担う子どもたちの舞台「吉野天人」のシテ、天人を演じる。吉野山の満開の桜とたわむれる天人の舞い姿が見せどころ。小鼓、大鼓、太鼓は子どもたちが演奏する。静会さんは「上品な天女を表現したい」と話す。

 嶺貴くんは「道成寺」の能のビデオを見せると泣きやむほどで、1歳過ぎたころには見どころを見よう見まねで覚えた。初舞台は2歳9カ月。「舞台に上がっている時が1番楽しい」と言う。今回、嶺貴くんは子役の卒業曲とされる「烏帽子折(えぼしおり)」で牛若丸を演じる。牛若丸が大人になる儀式や盗賊と戦う場面のある痛快劇で、立ち回りが見せどころとなる。「強い牛若丸を演じたい」と嶺貴くん。

 大介さんは「子どもたちに日本の伝統を伝承していく大切さを教えている。厳しいけいこを続け、成長する姿を見てやってほしい」と話している。前売指定席6300円、前売自由席5250円(当日6300円)、学生前売自由席2100円(当日3150円)。フィールノウ企画06-6862-3990。(進藤郁美)

◆フィールノウ企画のホームページ http://www.tcct.zaq.ne.jp/feelnoh-kikaku/

上田大介 フィールノウ企画 室町の仮面劇 大阪能楽会館

更新日時 2011/04/13


関連地図情報