このエントリーをはてなブックマークに追加

市立豊中病院の胎児スクリーニングシステムが 里見賞を受賞

表彰を受けた発表者ら、左から河津由紀子、山内一浩、加藤京子 さん

 市立豊中病院(堂野恵三・病院長、豊中市柴原町)は、胎児エコー検査の院内連携の新体制構築による胎児先天異常の早期発見と産科医の労働負担軽減への取り組みが評価され、日本胎児心臓病学会の里見賞(チーム医療部門)を受賞した。胎児心臓医療の普及と発展に貢献した研究者や機関を日本胎児心臓病学会が表彰すもので、2019年2月15日に開かれた第25回学会学術集会で表彰された。
市立豊中病院は産科医単独で行っていた胎児全身のエコー検査を、超音波検査士も加わって行う連携体制の整備を検討したが、産科医以外のエコー検査による胎児期診断の精度をこれまでと同水準に保つ点が課題で、実施困難な状況が続いた。そういった状況の中、日本胎児心臓病学会が認証する、胎児心臓病の診療に熟達した医師・胎児心エコー認証医が赴任。これを契機として、超音波検査士、産婦人科医、小児科医が協議を重ね、2018年8月から心臓病も含めた胎児全身の超音波スクリーニングを産科医と超音波検査士が行う連携システ ムを構築しました。
 システムの稼働開始から2019年2月までに 122件の検査を実施し、重篤な疾病が判明せず、出産後に明らかとなって高次医療機関に緊急搬送した例は1件も発生していないことから、システムの運用が順調であると考えられ、受診する妊婦へのサービスを高めながら、産科医の負担軽減も実現した。
 システム構築に携わったメンバーが胎児心臓病の権威である日本胎児心臓病学会第25回学術集会にエントリー。演題「当院検査部における胎児スクリーニングシステム導入への連携」を発表し、里見賞に選出された。超音波検査士などの医師以外の職種が里見賞を受賞するのは初め。
 発表者は加藤京子・超音波検査士。共同演者は駒里美・超音波検査士、山内一浩・超音波検査士、辻江智子・産婦人科医師、河津由紀子・小児科医師(胎児心エコー認証医)。
=情報提供・豊中市(梶川伸)2019.04.08

更新日時 2019/04/08