塩崎厚労相が豊中あぐり岡町と遊友を視察
塩崎恭久厚生労働大臣は12月26日、先進的な地域福祉の取組みを視察するため、野菜作りを通して60歳以上の男性を地域福祉への担い手に育成する都市型農園「豊中あぐり岡町」(岡町南1)や、福祉相談などを行う拠点「遊友」(原田元町2)を訪れた。豊中あぐり岡町は豊中市社会福祉協議会(永井敏輝会長)が進め、遊友は原田校区福祉委員会(森田治男会長)が運営している。
一億総活躍社会を進めるため、厚労省は福祉分野で地域住民が役割を持ち、「他人事」になりがちな地域づくりを「我が事」として主体的に関わる「我が事・丸ごと」を進めている。塩崎大臣は「豊中あぐりという豊中ならではの地域づくりの仕組みを全国で展開できるように国も働きかけていきたい」と話していた。
豊中あぐり岡町は、定年退職後の男性に、農作業を通じて人とのつながりの大切さを理解してもらうとともに、ボランティア精神を育み、地域福祉の新たな担い手になってもらうのが狙い。土地はもともと宅地であったところを市民から社協が無償で借り受けたもので、広さは約370平方メートル。2016年5月から60歳以上の男性が耕し、ナスやトマトなど植え付け、毎日の水やりなど世話をしてきた。収穫した野菜は遊友などで販売されている。
遊友は1997年に空き家だった民家を、福祉委員が家主から無償で借り受けて活動を開始。引きこもりや空き家など地域の福祉課題について相談できる窓口や、2歳までの子どもと一緒に保護者が交流できるサロンを開くなどしている。
塩崎大臣らはまず豊中あぐり岡町を訪問。協議会の職員から説明を受けた後、活動を行う男性に現在育てている野菜について質問したり、ダイコンの収穫を行ったりした。その後、遊友を訪問。ダイコンを使って作った朝食を淺利敬一郎豊中市長らと取りながら、福祉委員らと意見を交換した。協議会の勝部麗子室長は「地域の課題を最も知っているのは地域住民です。住民が持つ地域力を高める体制づくりが必要です」と語っていた。
=情報提供・豊中市(梶川伸)2016.12.27
更新日時 2016/12/27