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豊中市の保健師らが熊本地震の被災地での活動を報告

避難所での公衆衛生活動について話す保健師の中尾副主幹

 豊中市保健所(豊中市中桜塚)で6月20日、熊本地震の被災地へ災害支援派遣された市の保健師と管理栄養士が、市職員に現地での活動を報告した。熊本県益城町へ派遣された保健予防課の保健師・中尾こずえ副主幹と保健医療課の保健師・中根明美副主幹、保健医療課の柳原由佳管理栄養士の3人。職員50人を前に、避難所で行った活動概要とともに、現場ならではの気づきや平常時では分からなかった課題、今後の豊中市としての災害への備えなどを話した。
 中尾さんは5月10日から14日まで、中根さんは5月26日から30日まで、柳原
さんは5月22日から26日まで、町総合体育館で活動した。当初、体育館には車中泊も併せて約1500人が避難。廊下に布団を敷いて寝ている人が溢れていたが、5月末にはポールや布による間仕切りが作られた。
 保健師の2人は主に被災者の健康面や衛生面をケア。健康相談コーナーを設けるとともに館内を見回って避難者の健康状態や体調を確認したり、専門機関につないだりした。当初の課題が上下水道の復旧できていないことによる衛生面の課題や熱中症や食中毒の懸念であったのに対し、ライフラインの普及が進んで避難所に仕切りが作られてからは、プライバシーの確保ができた反面、体調不良者の発見の遅れや犯罪の発生も心配されるようになったという。
 柳原さんは炊き出しや配食の提供状況の確認などを担当。また、避難所の食中毒予防や適切な栄養量確保のための助言、避難者の栄養相談にものるなどした。栄養の偏りや配食の保管場所、炊き出しの受け入れ体制の課題など現場で起こった様々な課題を話した。
報告会には、医師や薬剤師なども含めた様々な職種の職員が参加。保健所の松岡太郎所長は冒頭に「有事の際には職種の違いに関わらず皆で支援体制を整えなければならない」と語った。報告会に参加した事務職員の保健医療課・後藤良輔課長補佐は「事務職としては、専門職が力を発揮できるような後方支援ができるよう努めたい。また、災害時には判断が難しい局面が多いと思うが、そういう時にこそ信頼してもらえる行政であるように日頃から地域に密着した業務を積み重ねていきたい」と感想を述べていた。
=情報提供・豊中市(梶川伸)32016.06.21

更新日時 2016/06/21


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