被災建築物応急危険度判定士が熊本での活動を報告
熊本地震で被災した建物の危険性を応急的に調査するために派遣された被災建築物応急危険度判定士の豊中市職員が活動を終え、4月27日に淺利敬一郎豊中市長に現地での活動を報告した。
派遣されたのは市建築審査課の堀俊之技術職員で、23日から25日まで熊本県の益城町や西原村などで活動。堀さんは「倒壊している家屋やブルーシートがかかった民家がたくさん見られた。調査した建築物の多くに危険または要注意の判定をした」と淺利市長に報告した。
大阪府は判定士の資格を持つ府内自治体職員を派遣しており、第2次派遣隊として堀さんのほか7人を熊本に派遣した。堀さんは民家や商店、マンションなどを2人1組で調査し危険度を判定した。余震による倒壊や窓ガラスの落下など人命に関わる二次的災害の防止を目的としている。危険度判定では外観や内観をチェックし、危険を示す「赤」、要注意の「黄」、被害の少ない「緑」のステッカーを張っていく。
現地では倒壊した家や瓦の落ちた屋根なども多く見られた。また、調査活動中にも余震が続き、判定中であったが慌てて建物の外に出ることもあったと言う。外から一見すると特に
目立った被害は無くても、中に入ると大きな亀裂があり「赤」の判断をするケースもあった。
堀さんは「住民の皆さんにとっては愛着のある家。避難所生活は避けたく、何とかして住めないかと言われることもあった。胸が痛んだが、人命優先して判断した」と話す。また、住民にヒアリングする中で家の建て替えの必要性に不安を感じる人もおられたと言う。今回倒壊しているのは古い木造建築がほとんど。「豊中でも熊本のような大きな地震はいつ起こるか分からない。今後は木造建築の補強を促進する業務において、被災地での経験を生かしたい」と語った。
=情報提供・豊中市(梶川伸)2016.04.27
更新日時 2016/04/27