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101歳 川戸俊治さん 書道が結びあう「楽在人和」

川戸さん(右端)と、よもぎの会のメンバー

 豊中市本町2丁目に、築82年の古い日本家屋がある。木枠の窓、日当たりの良い縁側を持つこの家で月に1回、書道教室が開かれている。

 自宅を提供しているのは川戸俊治さん。101歳。80年前に両親とともに大阪市からこの家に引っ越してきた。20年前に妻を亡くして以来、1人で暮らしている。5人の子どもに恵まれ、一時は17、8人が一緒に暮らしていた時もある。戦争中には空襲に遭い、この家の屋根にも「夜には星が見えた」ほどの大きな穴が開いたという。

 「自宅を使ってもらうことで、ご近所と交流を持てるのはありがたい」

 川戸さんは90歳の時に自宅を開放して書道教室を始めた。近所に住む書家の鈴木紫蓬(しほう)さんを講師に招き、川戸さんら13人の「よもぎの会」として書道を続けている。

 川戸さんは杖こそついているが、ハキハキと話し、健康そのもの。

 「男性は友達が少ない傾向にある。本を読むより、できるだけ人と会って会話をする方が体にも頭にもいい」

 高齢になってからも積極的に人とかかわりを持つよう心がけてきた。そうした態度が周囲にも波及するのか、紫蓬さんによると「本町2丁目のお年寄りは、他の地域の方より元気な気がする」らしい。

 今秋は客間で書道展を開き、仲間の作品約60点を展示した。川戸さんは幅135センチの紙に「楽在人和」と書いた。人生の楽しみは人との交わりにある、という意味だ。(早川方子)

更新日時 2010/11/15


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