気仙沼市の中学生が豊中市立二中で震災の状況を報告
東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県気仙沼市にある松岩中学校の生徒2人が1月29日、豊中市立第二中学校(宮山町2、上田典子校長、485人)、で震災の被害状
況や復興の様子を語った。震災から5年が経ち、 震災を風化させずに伝えていこうとする試み。第二中の生徒会長、高谷優希さんは「テレビなどで被災地に関するニュースが少なくなっているので、同世代から震災について直接話を聞くことができてよかった。直接現場に行って復興の様子を肌で感じてみたい」と話した。
2011年の東日本大震災発生後、両校はユネスコスクールの加盟校だったことから交流を始めた。第二中は阪急豊中駅前や大阪モノレール柴原駅前で募金活動を実施し、教員が松岩中へ行き、義援金として渡している。2015度は生徒が義援金を初めて手渡したことから、生徒同士の交流を活発にしていこうと、今回の松岩中の訪問が実現した。
この日は、第二中の全生徒が参加。松岩中の生徒会長の藤澤将匡さんが、震災当時と現在の学校を比べたものや体育館の窓ガラスが割れた様子を、写真を使って説明。続いて副会長の菅野哲平さんは震災当時の町並みを映した動画を使って、家や店舗、駅が津波で流された様子を説明した。
藤澤さんは「完全に復興するまでには、まだまだ時間がかかると思いますが、皆さんから支援をいただき、一歩ずつ復興に向けて前進しています。感謝の気持ちを忘れずにこれからを過ごしていきたい」と述べた。最後に、今後も両校の生徒会のつながりを継続していこうと、生徒会長同士が固い握手を交わした。
上田校長は「今回は直接話を聞けたことで、生徒自身が命の大切さを考える機会になったと思う。防災の意識が高められるよう、これからも引き続き交流したい」と話した。
=情報提供・豊中市(梶川伸)2016.01.29
更新日時 2016/01/29