東日本大震災の被災地の今を高校生が報告
東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県大槌町にある大槌高校(小田島正明校長、238人)の生徒4人が6月23日、豊中市役所などを訪問し、被災地の現状などを報告した。
大槌高校が支援を受けた自治体へ直接感謝を伝え、交流をさらに発展させるとともに、震災の記憶を風化させないために、被 災地の様子や復興の現状を報告しようと今回初めて行った。小田島校長は「震災から5年が経過していますが、復興はこれからも続きます。これまでの感謝と今後の交流を若い世代が発信することで、多くの人に被災地の現状が伝わればうれしい」と話している。
豊中市は震災直後に大槌町へ緊急消防援助隊を派遣して以来、職員の派遣や支援物資の提供など、継続的な支援を行ってきた。2011年には市と豊中市社会福祉協議会が準備したボランティアバスで、桜塚高校の生徒が大槌高校を訪問。2012年には高校野球発祥の地である豊中で、両校の野球部が交流試合を実施したほか、ボランティアバスも毎年、大槌高校を訪れている。
この日は生徒会役員と復興研究会の生徒4人と教員ら3人が豊中市役所を訪問。小田島校長が淺利敬一郎豊中市長に継続した支援に感謝を伝えた。その後、 豊中市社会福祉協議会が実施した報告会では、約80人の参加者の前で生徒が「被災地の今、高校生が見た大槌町」と題して20分にわたり、生徒が避難所で、寝具の運搬や配布、炊き出しの手伝いなど避難所運営に協力した様子を報告した。続いて、町の中心部の変化の様子を、GPSを活用し、定点観測し記録していることなど、町のために生徒としてできることは何か
を考え、先輩が行ってきた活動を引き継いでいることを説明した。
聴講した安家比呂志さんは「震災当時の高校生の活動が、次の世代まで引き継がれており素晴らしい。震災の記憶を風化させず、今後も支援を継続したい」と話していた。生生徒会長の紺野堅太さんは「震災直後からの支援にはとても感謝しています。これからもボランティアバスなどで豊中市の皆さんと交流を深めていきたい」と話した。=情報提供・豊中市(梶川伸)2015.06.24
更新日時 2015/06/24