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積極的な取り組みで3~4割就職 豊中市地域就労支援センター

13人の地域就労支援コーディネーターがいる。松原未知さん(右)と合田誠子さんは「これまで悩みだと思っていたことが、転職する際の強味になることもある」と話す。「相談を受けている時、求職者が変わりうる瞬間を感じることがある。その人の可能性に気付けるかが大事」と口を揃える

 豊中市は、働く意欲がありながら就労が実現できない求職者の支援に積極的に取り組んでいる。窓口となる地域就労支援センターには年間約1000人の求職者が利用する。就職率は3~4割と高い。
 今の生活を変えたい、と思っていても、自信がなかったり、SOSが発せられなかったりする人もいる。心や体に病気を抱えている人もいる。障害やひきこもり、ブランクが長い人もいる。「働きたい」という思いがあれば、豊中市の専門相談員、地域就労支援コーディネーターが個別に相談に乗り、解決へと導いてくれる。コーディネーターが求職者のカウンセリングから就労支援プランの策定まで、必要な一連の支援を行っていることが特徴だ。
 支援センターは無料職業紹介所と連携して、就職へと結びつけていく。紹介所は企業からの求人を待つだけでなく、「こんな人がいる。会社にとって必要な人材である」などと働きかけ、独自の求人開拓をしている。支援センターと紹介所の積極的な働きかけが、高い就職率に結びついている。
 コーディネーターの小川英子さんはさらに、「福祉事務所やこども家庭支援課などとの連携を密にする」と説明し、「就労を阻むその他の要因も含めた総合的な解決を志している。そのうえで、求職者と求人企業の最適なマッチングを目指している」と語る。
 コーディネーターの仕事は「人のターニングポイントに、寄り添っていく仕事」と小川さん。担当した人が就職した後も、半年間は見守りを続けるという。
 ◆あきらめなければ、何とかなる
 年末、切迫した様子で40代の男性が相談にやって来た。次の仕事が見つからず、年越しするお金がないという。まず、年越し算段を提案し、年末のアルバイトを紹介した。安心材料を用意したことで、自信ができ、他社の採用面接もうまくいったという。2社から内定をもらった。どんよりとした表情が、パッと明るく変わるのを目の当たりにした瞬間だったという。「人って、思いもよらない展開をするんですよ。あきらめなかったら何とかなる。本人があきらめかけていても、コーディネーターはあきらめないんです」と、穏やかな笑みを見せる。
 小川さんは続ける。「誰でもいろんな形でつまづいている。サポートがあれば、自分の場所を見つけることができる。本人が踏み出しさえすれば、変わっていくんですよ」
 ◆新たに「転職カフェ」を開催
 就労支援の新たな試みとして、30~40代の女性向けの「転職カフェ」を、2月21日、28日、3月7日、14日の午後7時から9時まで、とよなか男女共同参画推進センターすてっぷで開く。非正規雇用や休職中、シングルマザー、転職を考えているなど、「キャリアアップしたい」「パートや派遣で働いているが、先行きが心配」「このままでいいのだろうか」など、仕事や将来のことについて語り合い、「ゆるやかなつながりをつくるカフェ」とする。
 「自分の軸を探す場にもなるはず。1歩が踏み出せなくても、5ミリ動くと、見えてくるものがある」と、転職カフェを企画した佐々木妙月さん(情報の輪サービス代表)は話している。参加費はお茶、スイーツ、資料が付いて500円。各回定員15人。問い合わせ、申し込みは豊中市雇用労働課(電話06-6858-6863)へ。(進藤郁美)

【地域就労支援センターは市内2カ所に設置。地域就労支援センター豊中=北桜塚2-2-1、生活情報センターくらしかん内▽地域就労支援センター庄内=三和町1-1-63、市立労働会館内。相談は無料。完全予約制。相談予約電話番号は06-6858-6861(平日10時~17時)】

更新日時 2014/02/13


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