緑丘・わんわんパトロール隊 交番と連携 空き巣、ひったくり激減
愛犬と散歩しながら地域の防犯に努める豊中市緑丘の「わんわんパトロール隊」が、今年で結成3年を迎える。警察と連携した活動の結果、同地区内の空き巣被害が激減した。活動は他の地区にも波及し、豊中市全体の街頭犯罪率も大幅に改善した。
わんわんパトロール隊ができたのは2007年12月。当時、豊中署野畑交番所長だった樋口泰廣さんと自治会員だった松本孝治さんが、犬を飼っている家が多いことに注目して隊を提案したのがきっかけだった。現在、隊員は210人、隊員犬は239頭になる。
システムはごくシンプルで、隊員は犬の散歩をする際、犬を引くリードを夜間でも光る蛍光色にし、通報先が記載されたカードを携帯する。不審者はすぐ交番に通報でき、犯罪者は遠ざけられた。
緑丘地区は瀟洒(しょうしゃ)な一戸建てが並ぶ住宅街。以前は空き巣被害が毎月1件、多い時は月に2、3件あったが、現在はほとんどないという。
この結果を受けて、永楽荘など市内各地で次々とパトロール隊ができた。現在、豊中全体の隊員犬は700頭になる。豊中警察署によると、今年、市内で起こったひったくりなどの街頭犯罪件数は9月1日現在で7件。樋口さんは「人口規模を考えると驚くべき成績」と喜ぶ。
わんわんパトロール隊は住民の結束にも効果があった。緑丘自治会長の岡本英子さんは「リードをつけて散歩すると、知らない人でもあいさつするようになり、地区が明るくなった」と笑顔で話す。(早川方子)
更新日時 2010/09/09