「島田陽子さんの世界」へ約90人
豊中市千里文化センター(新千里東町1)の第9回フォーラム「島田陽子さんの詩とうたの世界へ」が4月20日に開かれ、約90人が島田さんの世界を楽しんだ。
島田さんは大阪万博(1970年)のテーマソング「世界の国からこんにちは」の作詞でも知られる詩人。また大阪言葉を大事にし、「おおさかことばあそびうた」などの詩集も残している。2011年4月18日に亡くなり、今年が3回忌になることもあり、センターが主催した。
最初に豊中紙芝居の会の田坂百合子さんが、「あいうえおおさか くいだおれ」「わたしが失ったのは」など、島田さんの詩4作品を朗読した。続いて、梶川伸・「マチゴト豊中・池田」編集長が「万博と報道」と題して講演。万博のテーマソングは毎日新聞が募集し、1万3195点の応募の中から島田さんの作品が選ばれ、賞金は100万円だったこと、詩ができたのが締め切り日だったことなどを、当時の新聞記事をもとに紹介。「こんにちは、世界、1970年、桜、握手といったシンプルな言葉を使った詩だが、そのことに力があり、万博の本質を突いていたので、心に残る歌になった」と考えを披露した。
最後は田中勉さん(バリトン)、田中友輝子さん(メゾ・ソプラノ)夫妻、高木洋子さん(ピアノ)が、「世界の国からこんにちは」のほか、島田さんの詩に曲をつけた歌曲を演奏した。田中さん夫妻は、創作歌曲の会「まほろば」のメンバーで、会に島田さんがいたことを話し、会員の中澤道子さんが作曲した「せぇてせかん」(急がしていないようで、実は急がしている、という内容の大阪弁の詩)も歌った。中澤さんも舞台に立ち、「大阪弁は口調に音楽が入っている。しかし、正確なイントネーションを知るために、大阪の呉服問屋の人に話してもらい、それを録音して作曲に役立てた」というエピソードを披露した。(梶川伸)
更新日時 2013/04/21