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400種咲く「花のおうち」 荻原夫妻、水やり2時間半

園芸に関する資格を多く持っている荻原さんは、地域の老人会などでガーデニング講座を開いている。「花を育てることで生きる楽しみを増やしてほしい」

 豊中市岡町北2に、地域の人たちから「花のおうち」と呼ばれている家がある。色とりどりの花が家の周りを覆うように咲き乱れ、1年を通して住民の目を楽しませている。
 花の世話をしているのは、この家に住む荻原邦夫さんと妻の雄子さん。荻原さんはコンビニや不動産業を営んでいたが、当時96歳だった母のために経営の第一線から退き、10年前に大阪市から豊中市に移った。荻原さん夫婦は「海外旅行をたくさんしよう」と思ったが、「母に何かあった時に旅先だったら」と考え、旅行をしないことに決めた。そこで「花でもやるか」と思った。母のせいで旅行を我慢しているのではなく、花の世話のために家を空けないと思わせるためだった。母は2008年、102歳で他界した。
 母の死後も荻原さんは家を空けていない。6年前に岡町北2丁目の自治会長を引き受け、連合自治会のメンバーらと駅前ロータリーや地域の保育園で花の手入れをするなどの活動を始めた。自宅の花は400種類に増えた。冬は寒さに強いパンジーや葉ボタンを咲かせるなど、季節ごとに植え替える。水やりだけで毎日2時間半かかる。水のやり方にも工夫が必要だ。特に大阪の夏は高湿度なため、やり方を間違えると根を傷めてしまうという。水と肥料の配分に何よりも気をつかう。
 花は思わぬ交流も生んだ。手入れで毎日数時間を野外で過ごすうちに、通行人から話しかけられるようになり、住人同士のあいさつが増えた。そのためか、この地域の空き巣が減っているという。「花はエネルギーをくれる」と話す荻原さんは、今後も花で地域につくしたいと考えている。(早川方子)

更新日時 2013/01/18


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