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デパ地下販売員から夢の歌手 池田出身ティーナ・カリーナ

アーティスト名は「本名をもじっただけ」と笑う

 池田市出身の田中里奈さんが2012年9月、「ティーナ・カリーナ」という名前で歌手デビューした。2月まではデパ地下でエビせんべいを売っていたが、デビュー2カ月で日本レコード大賞新人賞まで受賞した。
 デビュー曲「あんた」(エピックレコード)は関西弁で歌うラブソング。「心の中をさらけ出し、彼への思いをつづった曲。ひとりよがりの恋愛の歌だった。だけど、聴く人が家族や友人など、それぞれの特別な存在に置き換えて聴いてくれているのに驚いた」と話す。
 2月までの6年半は、阪急百貨店うめだ本店の地下でエビせんの販売を担当し、サービス優秀販売員にも選ばれた。「食品売り場では、人との接し方を学ばせてもらった」と、感謝を込める。
 デパ地下で働きながら、大阪市内でライブを開くなど音楽活動を続けていた。2011年3月、「もう25歳。夢をかなえるラストチャンス」と一念発起し、50社にデモテープを送った。関心を持ってくれたのは仙台市の1社だけだった。「関西弁の歌が仙台に届いたことに驚いた。方言は関係なく、思いは通じるんやと思った」と振り返る。
 11月24日には、阪急百貨店うめだ本店で凱旋(がいせん)ライブを開いた。2000人が見守る中、「あんた」のほか、東日本大震災の後で勇気を与えようと作った「むすんでひらいて」などを披露した。「大阪でも仙台でも『おかえり』と迎えられるのはうれしい」とにっこり。「やっとスタートラインに立てた。これからが勝負」と前を見据える。「心がふっと軽くなるような、前向きになれる曲を作っていきたい」と話す。(進藤郁美)

更新日時 2012/12/12


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