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石橋キャンパスプロジェクト 地域と学生の新しいつながり

8月8日行われた「こどもパン~みんなでパン屋さんを開こう~」。パン作りから店の宣伝、販売までを経験した

 いらっしゃいませ! 石橋商店街に子どもたちの元気な声が響く。創業80年を超える老舗「タローパン」で行われた、「こどもパン~みんなでパン屋さんを開こう~」の一コマだ。
 イベントを企画したのは、大阪大学のサークル「石橋×阪大」。商店街の空き店舗に「クルル石橋」というスペースを設け、商店街と学生、大学との新たな関係を作り上げる活動をしている。
 代表を務める理学部3回生の鈴木竜太さんは語る。「石橋は阪大生が4年間過ごす街。その街を学生はもっと知り、活用してもらいたい。一方で石橋の人たちにも、街の魅力を再発見してもらいたい」。その理念のもと進められているのが「石橋キャンパスプロジェクト」だ。
 石橋の街を一つのキャンパスと見立て、普通の授業では体験できないことを地域の人とともにやろうという計画だ。「これだけ近くにいて関わりがないのはもったいないから」。そうしてパン作りやキャンドル作りの体験教室、専門家を呼んでタコの解剖や骨の仕組みについて学ぶイベントが「クルル石橋」で開かれ、石橋南小学校では阪大の研究者による出前授業が行われた。
 学生たちの取り組みを、街の人も歓迎している。「タローパン」の店主の堤洋一さんは「彼らは僕らが思いつきもしないことを、やろうやろうと強引に引っ張ってくれる。あのキラキラした目を見たら、おっちゃんとしてもがんばらないとアカンやろ?」と話す。
 今まで素通りするだけだった学生が「おはよう」とあいさつをするようになり、それに街の人が笑顔で応える。双方向の交流が始まっている。

石橋商店街 大阪大学 石橋×阪大

更新日時 2010/08/12


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