豊中市の高齢者施策
豊中市高齢介護課によると、豊中市の65歳以上の人は2010年6月1日現在で84834人。総人口に占める高齢化率は21.5%で、全国平均よりやや低い。介護サービスを受けている人は、介護保険が始まった2000年には65歳以上の人の10分の1程度だったが、最近は6分の1まで上がっている。大東幹彦課長は「伸びは落ち着いてきたが、微増状態」と分析する。
要介護認定を受けている人のうち、要支援1、要支援2、要介護1の比較的介護度の低い人が57%と半分を超える。大東課長は「まず認定を受けておく、という意識の高さを示していると思う」と見る。アンケートを取ると「いざという時のために」という答えが多いという。
介護認定調査の際は、当事者の生活状況をよく知っている家族などに同席してもらうのを原則としている。また、認定調査員は複写された認定表を渡し、お互いの確認のためのデータとしている。
さまざまな施策の中で力を入れているのは、見守りと介護予防。見守り施策の1つは、65歳以上の独り暮らしの人や、高齢者だけの世帯を対象にした在宅給食サービス。食事代(約550円)は利用者の負担だが、配送料を市が負担し、給食を渡す際に安否を確認してもらう。
介護予防でユニークなのは「むくもりサロンとよなか」。営業前の公衆浴場を開放してもらい、健康体操やヨガ、太極拳といった体を動かすプログラムのほか、落語、マジック、ハーモニカ演奏といったレクリエーション、悪質商法の撃退法のような講座を開いている。参加者は催しの終了後に、希望すると100円で入浴できる(通常は410円)。毎月5~7カ所の浴場で開催し、参加者は豊中市シルバー人材センター(06-6856-1777)に申し込む。 (梶川伸)
更新日時 2010/08/11