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園芸高と第一パンが協力  ふんわりおからぱん開発

澤田教諭(後列左端)と食品製造研究部の部員。ふんわりおからぱんの価格は120円を目安にしている

  おいしいものを食べると笑顔になる。「その笑顔をたくさんの人に届けたい」と、大阪府立園芸高校(池田市八王寺2)食品製造研究部の3年生6人が、第一屋製パン大阪空港工場(池田市空港1)と協力して、新製品「ふんわりおからぱん」を作り上げた。11月末まで、関西の主なスーパーやコンビニで販売している。
 ふんわりおからぱんのコンセプトは健康にいいこと。生地におからと豆乳を混ぜ込み、中のあんはリンゴとショウガで作った。部長の堤鈴華さんは「おからが水をかなり吸うので、その調整が難しかった」と話す。ショウガは辛さが邪魔にならない程度に、しかし個性が消えないようにと微妙な味加減を探った。
 第一屋製パンとは2012年1月に打ち合わせを始め、月2回のペースで話し合った。生徒が持ち込んだアイデアは約50。採用されなかったものには、池田炭パウダーを入れた炭パンや、子どもの嫌いなニンジンやピーマンを食べてもらう野菜パンなどがあった。ナスのジャムを入れたパンは、毎週のように試作品を作った。その中で、特徴があって製造しやすいおからパンが選ばれた。第一屋製パン関西営業部の神尾良一さんは「製造工程やコストのことを念頭に考える私たちでは出てこないアイデアばかり。夢のあるパンに刺激を受けた」と話す。
一方で生徒には、製造や流通コストの考え方が新鮮だった。もう1人の部長、高野奈海さんは「たくさんの人に安くおいしいものを届ける難しさが勉強になった」と振り返った。顧問の澤田結香教諭も「大人と一緒に話し合い、考え合った経験は何物にも代え難い。教えられて成長するのではなく、自分で気付くことで彼らは成長した」と目を細める。
食品製造研究部のモットーは「やりたかったらやってみよう」。3年生は間もなく卒業するが、後輩たちがその精神を受け継ぐ。「園芸高校だからできたこと。ここへ来て良かった!」。全員で自分たちのパンの完成を喜ぶ。(礒野健一)

更新日時 2012/10/10


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