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金魚すくい・おか~ん3人組 日本1へ得意技「常笑すくい」

笑顔で練習する(左から)檜原さん、吉永さん、神野さん=大和郡山市の「こちくや」で

  毎年8月第3日曜に奈良県大和郡山市である全国金魚すくい選手権に、赤い闘志を燃やす3人の主婦がいる。池田市の神野康子さんと吉永とよ子さん、河南町の檜原俊子さんだ。チーム「浪速のおか~ん」を結成し、「来年は日本1をすくい取る」つもりだ。
 神野さんが4年前、他の2人にラブコールを送り、チームが結成できた。檜原さんは第3回大会、吉永さんは第4回の個人戦で優勝したつわもの。第12回大会準優勝の神野さんにとってはあこがれの存在だった。神野さんは「檜原さんの金魚を吸い寄せるようなすくい方と、吉永さんの笑顔にほれ込んで、猛アタックした」と照れる。
 「年1回の大会に向けて練習を重ね、本番で心が1つになる。団体戦には個人戦では味わえない楽しさがある」と神野さん。2011年の第17回大会は3分間に127匹をすくって、団体戦3位に輝いた。しかし、今年は準決勝敗退。「1匹の差で負けた」と悔しがる。「大阪のオバチャンらしく、にぎやかに楽しく。いつも笑顔で」の精神で、「常笑すくい」を合言葉に「来年こそは」と気合を入れ直している。
 3人は大和郡山市の金魚すくい道場「こちくや」に時々集まって腕を磨く。取材で水槽をのぞき込むと、金魚をすくうポイを軽やかに操り、次々とすくっていく。尾びれはずし(よく動くしっぽは紙が破れないよう、ポイの外にはみ出させる)、三日月落とし(ポイを斜めにし、すくいながら水を切る)、戸惑いすくい(金魚が一瞬止まる時を狙う)などの技を駆使する。「オバチャンになっても、夢中になれることがあるって幸せ」。金魚は若さを保つ友だちでもあるらしい。(進藤郁美)

更新日時 2012/09/12


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