豊中型ESD 広い視野と判断力を育む教育
豊中市は、持続発展教育(ESD=Education for Sustainable Development)を進めている。ESDとは、地球規模で起こる環境、人権などの問題について、身近なところから取り組むことで新たな価値観や行動を生み出し、それを持続させる社会を目指す学習や活動のことだ。
豊中市教育委員会は4月、実際の教科にどのようにESDを取り込むかを示した実践ガイドを制作した。例えば小学5年の社会で習う日本の食料生産についての単元では、環境問題のほか、米作を知ることで伝統文化に触れ、食育も学ぶことができるとガイドする。
教育推進室小中学校チームの安家(あけ)紀子主幹は「普段の授業から少し視点を変えることで、地域や世界とのつながりが見えてくる。それがESDの視点。そうして子どもたちが地域へ話を聞きに行き、海外交流をすれば、自然と広い視野や判断力が培われる」と話す。
第二中学校は東日本大震災で被害を受けた宮城県気仙沼市と交流するなど、豊中市内ではESDのモデルとなる活動を続けている学校がある。「学校ごと、先生ごとのの特色を出してほしい」と、安家さんは期待する。(礒野健一)
更新日時 2012/04/09