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ひったくりにご用心 自己防衛で100%回避可能

自転車の防犯カバーを配布・設置する豊中警察署員ら=阪急曽根駅前で

 今年に入って豊中市内でのひったくり件数が増えている。2月末には阪急曽根駅西側付近で、単車によるひったくりが相次いで報告された。豊中警察署生活安全課は「ひったくりは防犯対策を取れば100%防げる犯罪」と注意を呼び掛けている。

 豊中署管内で2011年に被害届があったのは30件。その内28件は女性が被害に遭い、25件は単車による犯行だった。時間帯では午後6時~午前2時が多く、中でも午後10時~午前0時が目立っている。「終電などに乗ってきた女性が、人通りの少ない道に入ったところを単車で狙われるケースが多い」と豊中署は分析している。

 ひったくりに遭う人には共通点があるという。車道側にカバンを持って歩いている人。自転車のかごにカバンを入れている人。路上で携帯電話の操作をする人。携帯音楽プレーヤーを聞きながら歩いている人だ。つまり、ひったくりに遭わないためには、①歩く時にはカバンを車道と反対側に持つ。またはたすき掛けにする②自転車のかごに防犯カバーを装着する③携帯電話等の操作はなるべく避け、周囲へ注意を向ける。

 ①②に関しては効果があり、「これで被害にあったケースはない」と豊中署は言う。自転車に乗る場合、「新聞紙1枚を荷物の上に乗せるだけでもいい」という。ひったくりは一瞬の犯行なので、犯人に少しでも手間がかかると思わせるのが肝心なのだ。③に関しては、性犯罪や交通事故に巻き込まれないためにも用心しなくてはならない。

 このように、ひったくり対策は簡単に実行できるものばかりだが、それでも被害がなくならないのはなぜなのか。生活安全課の門脇正人課長は「自分だけは大丈夫という油断」と指摘する。警察が注意をしても「取られて困るほどのお金は持たない」と軽く聞き流されることも多いという。しかし、ひったくりに遭って失うのはお金だけでない。クレジットカードや免許証、携帯電話、鍵――別の犯罪に悪用される恐れがあるものばかりなのだ。名前と住所を知られ、家の鍵も盗まれるだけでも気持ちが悪いが、携帯電話に保存している写真や個人情報を流出される場合もあるらしい。ひったくりを甘く見ず、くれぐれも用心を。(早川方子)

更新日時 2012/03/15


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