世界1ハートのある動物園へ 五月山・アルパカの右目注目
池田市立五月山動物園の人気者、アルパカのオークン(雄・2歳)の顔にはハートマークがある。そうは見えない? 右目を覆うように、白地に黒のシックなハートが、あると言ったらあるのだ!
「そう見えるかなという程度ですけどね」と笑うのは、動物園を管理する五月山都市緑化植物園の瀬島幸三さんだ。面積約3000平方メートルの五月山動物園は、これまで「日本1小さな動物園」という看板を掲げてきた。しかし、福井県鯖江市の西山動物園が約2500平方メートルとわかり、その看板を下ろすことになった。
どうしようかと考えていた2011年秋、関西大学政策創造学部の学生から、町の施設を使ったイベント研究のシミュレーション素材として動物園を扱いたいと打診があった。そのシミュレーションでは、動物たちを外に出し、もっと市民と触れあえるようにするといった具体的なイベント像が描かれていた。「私たちの目指す動物園と一致した」と瀬島さん。ならば、実際にイベントをやろうと話が進んだ。オークンのハートマークをシンボルに、新キャッチフレーズは「世界1ハートのある動物園」に決まった。
2月11日、池田駅前からサカエマチ商店街を通り動物園まで、アルパカがパレードした。当初は60人ほどだった参加人数は、道行く人たちを巻き込み、いつの間にか100人を超えていた。動物園では親子が互いに日ごろの感謝を表して、チョコレートを贈り合った。政策創造学部2回生の山内加菜さんは「こんなにたくさんの人が来てくれるとは思わなかった」と驚きつつも笑顔を見せた。
池田市の小南修身市長は、公約で五月山動物園の増改築を掲げている。瀬島さんは「物語性をもった展示を考えている。近所の公園に遊びに来るような気軽さで足を運んでもらえる、ハートあふれる動物園でありたい」と話した。(礒野健一)
更新日時 2012/02/28