小南修身・池田市長「観光振興監を新設」
17年ぶりに池田市は新しいリーダーが誕生した。小南修身市長に抱負などを聞いた。(聞き手・進藤郁美)
――力を入れる政策は?
「住宅の耐震改修工事の補助は、市民の命と財産を守る手立てとして今までもやってきたが、手厚くする。もうひとつは環境に対する負荷を軽減するため太陽光利用と、これに対する補助金のパワーアップもする」
――具体的には?
「1軒につき60万円だった耐震工事補助額の上限を100万円に上げる。市内には20ワットの蛍光灯を付けた街路灯が2500機ある。半分を10ワットのLEDに変え、電気使用料を抑える。ダイハツ、スズキのエコカー(指定車種)購入者には軽自動車税の免除もする」
――観光に力を入れると聞きました。
「朝から夕方まで池田で遊べるようにしたい。逸翁美術館、池田文庫、落語みゅーじあむ、呉服座、インスタントラーメン発明記念館などを組み込んだ観光コースを作り、駅前の商店街まで人の流れを作りたい。ダイハツの資料館「ヒューモビリティワールド」にも協力を申し入れている。4月人事で新たに市民生活部長直結の『観光振興監』を置き、観光施策の目玉にしたい」
――五月山動物園拡張も公約にありますが。
「シンボルの五月山動物園は、任期中に敷地を広げて動物の見せ方を改善する。初年度は『おとぎの国の動物園』をテーマにしたデザインを描きたい」
――障害者基本条例で実現させたいのは何ですか。
「障害者の自立支援、並びに終の住処を考えなければならない。親なき後の障害を持つ子どもたちが共同生活を送るケアホームを整備することを条例の基本方針に盛り込む。ケアホーム用地として市有地を民間に提供し、事業展開できるようにしたい」
――市長、副市長の大きな違いは?
「副市長で市政にたずさわってきた。同じ状況のものでも、副市長の時に見る目と、市長になって見る目が異なった。これは自分でもびっくりした。トップリーダーになって感じる感性と、ナンバー2の時の感性が違ってくる。発想が変わってくる。副市長の時に、こんな発想が出てきていたらよかったのに、と思うこともある。自分が池田市を守っていかなければならないという責任感の中で、ひとつひとつ考えていった時に、今まで思っていなかったような発想が出てきた。おかしなものでね(笑)」
――橋下徹・大阪市長など、首長によるトップセールスなどが話題になっています。小南市長が考える池田市のPR点はどこにあると思いますか?
「PRしたい点はいろいろある。五月山は市民の宝。水月公園もいい。市街地の中心にあって、利用頻度も高い。あずまやの「斉芳亭」など中国・蘇州市から贈られたものを全て納めている。都市公園の中でもピカイチだと思う」
――4月1日から墓地埋葬法の窓口が大阪府から池田市に権限委譲されると伺いました。
「大阪府の埋葬法は住居から100メートル以内は認めないことになっている。池田市は五月山を守るため、五月山のふもとから300メートル以内は埋葬法上、墓地の開発は認めないという条例にしたい」
――池田市民へのメッセージをひとこと。
「昭和14年に池田市政が始まり、昭和50年に人口が10万人になった。それから36年間、人口は10万~10万5000人の間を推移している。こんな市はない。それだけ落ちついた街であり、市民が街を愛してくれているからだと思う。そんな街の市長にならせていただいた信頼を裏切ることはできない」
――好物は何ですか。
「肉が好き。焼き肉でもすき焼きでも肉料理が好きでね(笑)」
更新日時 2012/02/29