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ベトナム人留学生の母の医療費支援を呼び掛け

ランさんやズンさんの置かれている困難な状況を外国人に説明する葛西さん(右端)

 大阪大学に在籍するベトナムからの留学生グエン・ティ・ランさん(37)の子どもを世話するため、来日していた母親のディン・ティフォン・ズンさん(72)が2011年9月にくも膜下出血で倒れ、入院した。一命を取り留めたが、3か月の短期滞在ビザで入国したため加入できる公的医療保険がなく、医療費約634万円を全額自己負担で支払うなければならない。困難な状況のランさんを助けようと、在留外国人の支援団体でつくる国際交流市民ネットとよなかでは、医療費を集める募金活動をスタートし、3月4日にはチャリティイベントを開催する。市民ネットとよなかでは、「病気の治療は本人や母国であるベトナムの責任で行うべきことですが、日本で困っている人がいれば外国人かどうかかかわらず助けてあげたい」と支援を呼び掛けている。

 自分の子どもの世話と母親の介護を行いながら、卒業論文のための研究を続けるランさんは、早く就職して医療費を返したいが、子どもを保育所に預けようにも民間は高額で、公立には空きがない。そこで以前下宿先のあっせんを支援してもらった葛西芙紗さん(75)に相談した。葛西さんはベトナム領事館や同じ国際交流を行っている団体へ支援を依頼したほか、ランさんが大学に行く間は、会員で交代して子どもの世話を行っている。現在までに、同市に住むベトナム人留学生らが中心となり約100万円を集めることができた。葛西さんは「公的保険に加入できず、高額な医療費で苦しむ外国人の現状を多くの人に知ってもらい、少しでも良くなるように変えることができれば」と話している。

 国際チャリティイベントは「とよなか国際交流センター」で3月4日、午前10時半から開催される。今回の医療費支援報告が行われるほか、バザーやベトナム料理などが販売され、収益は医療費支援に充てられる。入場無料。募金の問合せ、受け付けは国際交流市民ネットとよなか06-6840-1014。=情報提供・豊中市(早川方子)

更新日時 2012/02/09


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