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作家いおりべゆうさん 池田の風景モチーフにデビュー

「対象年齢はもう少し上ですが、小学生の娘も読んでくれています。うれしい反面、まだ恥ずかしいですね」

 池田市在住のいおりべゆうさんが、1月30日に発売された「ヴァーミリオン・スプライト」(幻冬舎・幻狼ファンタジアノベルズ)で作家デビューした。作品は幻冬舎の行うライトノベルの新人賞、第2回幻狼大賞の奨励賞受賞作品で、“退魔士”の少女が理不尽な事件に巻き込まれつつ成長していくファンタジーだ。

 いおりべさんは約10年前から、病気のため車椅子の生活を送っている。それまではアウトドア派で本もあまり読まなかったが、リハビリ中の気晴らしに読書を続けるうち、自分でも書いてみるようになった。「できる仕事も限られ、わらにもすがる思いで執筆を始めた。初めは純文学を書いていたが、夢枕獏さんの作品が好きで、幻想的な世界観も書くようになった」と話す。

 作品内の風景は、明記はされていないが池田の街がモチーフになっている。「神社は呉服神社、駅前は池田駅周辺、河川敷は猪名川。僕が生まれ育った池田の風景が、自然と物語に溶け込んだ」という。「重く暗い話は最近のライトノベルの流行からは外れるが、それが僕の持ち味。これからも書き続けたい」(礒野健一)

いおりべゆう 幻狼ファンタジアノベルズ

更新日時 2012/02/01


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