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豊中川柳会・田中螢柳会長「川柳の中心は人」

川柳大会の様子(田中螢柳さん提供)。今年のジュニア部門はお題「ゆたか」と「手伝い」で作品を募集。公民館などに置いてある参加票に記入し、11月11日必着で豊中市立中央公民館(豊中市曽根東町3-7-3、ファクス06-6863-4427)へ応募

 5・7・5のリズムで日々の情景や気持ち、社会に対する風刺を詠む川柳は、同じ17音でも俳句と違い、季語が必要なく口語で表すため、最も身近で短い文学と言える。最近はカルチャー教室で習う人も増えている。11月23日には豊中市民川柳大会が豊中市中央公民館であり、参加者が日ごろの成果を発表する。今年で53回を数える大会に、第2回から参加している豊中川柳会会長の田中螢柳さんに、その魅力を語ってもらった。

 川柳には穿(うが)ち、おかしみ、軽みの3要素がある。穿ちは物事を深く掘り下げて本質を提示すること。おかしみはユーモア。軽みは軽妙爽快でキレがよいことだ。「俳句は動植物や季節の移ろいなどを詠むが、川柳の中心はあくまで人。自然はうそをつかないが、人は本音と建て前があり、時にはうそもつく。そのおかしみを詠むのが川柳の面白さの1つ」

 田中さんは20代の時に、「道頓堀の雨に別れて以来なり」で有名な大正・昭和の川柳作家、岸本水府が選者を務めた川柳の新聞投稿欄に掲載されたことをきっかけに、この世界にのめり込んだ。「当時も若い人は少なかったですね。今も中心は60代以上ですが、子どもたちにも川柳は簡単に詠めます」

 数年前から豊中市民川柳大会は、小、中学生を対象としたジュニア部門を開設している。昨年は「夏」を題に「なつのひはプールがいちばんすずしいね」「かき氷食べ過ぎ注意でもうまい」、「弁当」を題に「なぜだろう冷めてもおいしいお弁当」「お弁当四季おりおりで楽しみだ」の4句が入賞した。(礒野健一)

 マチゴトは川柳の読者投稿コーナーを設けます。今月のお題は「手伝い」と「ありがとう」。選者は田中螢柳さん。はがきに句を書き、〒530-8251大阪市北区梅田3-4-5 毎日新聞ローカル「川柳係」へお送り下さい。

川柳

更新日時 2011/11/03


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