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身近な自然を後世に どんぐり山を守り育てる会

目印はそろいの赤エプロン。作業中に拾った松ボックリは、洗って置き物や工作などに使う

 豊中市東豊中町、UR都市機構・シャレール東豊中の敷地内に、「どんぐり山」「きのこ山」と呼ばれる小さな山が2つある。どちらの山もドングリの木や柿の木、ハギなどが生い茂り、秋には木の実でいっぱいになる。この豊かな小山を管理・維持しているのは、団地の住民による有志団体「どんぐり山を守り育てる会」だ。会員が月に1度、山に集まって雑草を刈り、落ち葉を拾い集めて腐葉土を作るなどの手入れをしている。
 会が発足したのは2005年。団地建て替えがきっかけだった。当初は古い建物と共に山も壊される予定だったが、「せっかくの自然を後世に残せないのはもったいない」と、自治会長だった古川いつ江さんが中心となってUR都市機構と交渉し、山の管理・維持が住民の手に委ねられることになった。
 「でも、改めて山を見ると、人の足で踏み荒らされてひどい状態でした」
 湿り気のない砂のような土が、落ち葉と一緒に流出して、木の根がむき出しになっていたという。会はまず山を柵で囲って、人の出入りを限定した。その後は、専門家を招いてのワークショップを通して、雑木林や山について勉強し、山を育ててきた。現在、山の状態はかなり改善し、柔らかな腐葉土で満たされている。
 会員は67人。そのうち20数人は毎月活動している。会員は高齢者が多く、山での力仕事は大変だが「1人ひとりが山は自分のものだという意識があるからね」と加田誠会長はほほ笑む。会員の夢は、子どもたちが自然の中で思い切り遊べる環境を作ることだ。(早川方子)

更新日時 2011/10/28


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