楽屋とステージ メリハリが生む細やかなサービス
こども店長を務める岸野正鈴さ
とある秋の夜、ネッツトヨタニューリー北大阪・緑ヶ丘店に務める西村正人さんは、閉店作業を終えたところで岸野秀美店長に呼ばれた。向かった先には、大きな花束を持った岸野さんがいた。「今日、結婚記念日だろ。おめでとう」と笑いかける岸野さんに、「自分でもはっきり覚えてないのに、ありがとうございます！」と感激する西村さん。こうした部下に対する細やかな気遣いが店全体に広がり、顧客サービスへつながっている。
女性用トイレに油とり紙やパンストの替えを用意。両替やお釣りは新札で。客の飲み物の好みはコーヒーの砂糖の数まで把握。新車の納車の際にはプリザーブドフラワーをプレゼント。ちょっとしたことでも、相手に楽しく、心地よくなってもらえるよう工夫する。
サービスのアイデアは、事務室で交わされる雑談から生まれることが多いという。何でも気軽に話せるざっくばらんな雰囲気が、思わぬアイデアを生み出すのだ。一方でメリハリも忘れない。「事務室から一歩外に出たら、待っているのはお客様。例えるなら楽屋とステージ」と、受付担当の椋田信恵さんは言う。「ステージでは笑顔を忘れず、でも緊張感をもって臨みます」
そんなステージに、かわいい子役も登場した。トヨタがキャンペーンをする「こども店長」に、２００９年９月から岸野さんの娘・正鈴（せいれい）さんも就任しているのだ。当時小学２年生だった正鈴さんは、早速「店の車をぜんぶ１００まんえんにします」という貼り紙をして店長をあわてさせるが、名刺交換もしっかりこなして接客するなど活躍した。
「オンとオフの切り替えができなければ、いる意味がない」と岸野さん。それは、緑ヶ丘店にはそれができる人間しかいないという信頼の言葉だ。（礒野健一）
【ネッツトヨタニューリー北大阪・緑ヶ丘店】豊中市春日町5－9－13▽9時半～19時（サービス受付17時半まで）▽火曜定休▽06-6841-0041
更新日時 2011/08/25
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