編集長のズボラ料理(906) コンニャクの甘みそ
食べ物の色は、食欲に関係する。ただし、それぞれの好みだろうが。
例えばカレーライス。ルーは焦げ茶色であってほしい。黄土色のものもあるが、どうも気が進まない。家で作るカレーや子ども用に思えてしまう。勝手な思い込みに過ぎないとわかってはいる。現に家でカレーを作る時に、市販の固形ルーを使うのがだ、黄土色のものなど見たことがない。
その点、焦げ茶色の場合は、味が濃厚ではないかと勝手に想像してしまう。それが大人の味と思えてしまった。
僕が子どものころ、おふくろは小さな缶入りのカレー粉を使って、カレーを作っていたような気がする。それが黄土色だった。色が赤い缶も、中は黄土色だった。そのためか、黄土色=子ども用という方程式ができてしまったに違いない。
思い込みを払拭するのは難しい。その昔、誘われてカレーが売り物の喫茶店に行った。ホウレンソウカレーが人気だというので、食べることにした。一定程度は予想してたが、運ばれてきて衝撃を受けた。まさに緑色。「ウーン、これがカレーか」である。
食べてみればカレーだし、良い味だったが、やっぱりカレーは焦げ茶色であってほしい。であるならば、いくつものカレーの種類があるのに、ホウレンソウ以外を頼めばよかったのだ。
卵には、色のマジックがある。黄身が赤みを帯びたものがある。それがおいしそうに見える。そんな卵に限って、「〇〇さんのおいしい卵」なんて名前になっている。「やっぱりおいしいんだ」と思ってしまう。「黄身の色は、えさによる」と聞いたことがあるのに。
牛乳にも「おいしい牛乳」と名づけられたものがいくつかある。ただ、どれも色は白だから、それほどの吸引力はない。
コンニャクはどうか。黒っぽい灰色と白っぽ灰色のものがある。僕の場合、おでんは黒っぽい色であってほしい。山形の玉コンニャクは白っぽい色であってほしい。
今回はやや白っぽい板コンニャクを使った。包丁で裏表に切れ目を格子状に入れ、サイコロ状に切る。鍋にだしをとり、コンニャクを煮る。味つけはみりん、白だしで、十分に味をつける。ボウルに赤みそを入れ、砂糖とみりん、白だしを加えてのばす。コンニャクをボウルに入れてみそを絡める。
娘夫婦が突然遊びに来た。冷蔵庫にあるもので、大急ぎで食べ物を5品作ったが、1番喜んだのがこのコンニャクだった。お金にすれば120円ほど。安上がりな夫婦である。(梶川伸)2026.10.10
土手焼きも焦げ茶色
更新日時 2026/10/10