ちょっと味見を(1060) 鯛めし御膳
松山市に行くと、正岡子規の句碑をよく見かける。四国88カ所霊場48番・西林寺には「秋風や高井のていれぎ三津の鯛」の碑がある。「高井」は地名で寺近い。「ていれぎ」は和製のクレソンのような植物で、刺し身のつまなどに使うそうだ。
「三津」も地名で、三津浜のこと。鯛が名物となっている。ここには魚市場もある。
遍路で西林寺にお参りした翌日、三津浜の「鯛や」で、鯛めし御膳を食べた。古民家を使った鯛めしの専門店で、1人用の朱塗りの膳(ぜん)に料理が乗っている。主役は鯛で、朝に水揚げされた鯛を使っている。メーンは鯛の炊き込みご飯。鯛はほぐしてご飯の上に乗っている。それに細く切った昆布、三つ葉が添えてある。
おかずのメーンは、鯛の刺し身だった。厚く切ったものを口に運ぶと、歯ごたえがいい。椀(わん)の中も鯛のすましだった。それにトラハゼの南蛮漬け、ヒジキなどの小鉢。
2160円といい値段ではあるが、鯛めしは1合もあり、新鮮な鯛を食べられるのだから、納得の金額でもある。(梶川伸)2017.12.28
更新日時 2017/12/27