あけまして ピョーン 五月山動物園に7羽のウサギ
ウサギは寂しいと死んでしまう――そんな俗説がある。それを表すように、五月山動物園の「ふれあい動物園」を訪れた日は寒さに耐えるように、ウサギたちが寄り添って1つの毛玉のようになっていた。
「いや、それはないですね」と、担当飼育員の広瀬友香さんが笑う。「ウサギにも個性があるので、皆と一緒にいたがる子もいれば、1人が好きな子もいます」という。言われてみれば、皆が寄り添う中、1羽だけ我関せずと離れて毛繕いをするウサギがいた。
ふれあい動物園にいる7羽のウサギは一般的なカイウサギのほか、たてがみのような飾り毛を持つライオンラビット、垂れ耳が特徴のロップイヤー、比較的短毛のミニレッキスの4種類。どれもメスで、最年長はライオンラビット「もえ」で6歳だ。「ウサギの寿命は7~11年なので、もうおばあちゃんですね」
ふれあい動物園ではウサギのほか、鶏、モルモット、マーラ(世界で2番目に大きいネズミ)が飼育され、一緒に写真を撮ったり、えさとして置かれている乾燥ワラを手ずから与えたりすることができる。ただ、動物たちのストレスになるため、抱きかかえることはできない。
この日は撮影用にいい表情をもらおうと、「おやつとしてあげている」という水分を含んだワラを出してもらった。とたんに寒さを忘れておやつを食べ始めるウサギたちが可愛らしい。
五月山動物園はウォンバットとアルパカが2大スター。だが、卯年の今年はウサギが主役だ。口だけモゴモゴ動かしてえさを食べる姿は、野山を跳び回る姿とはほど遠いが、このマイペースさが案外大切なのかもしれない。 (礒野健一)
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」第12号(2011年1月6日)
更新日時 2011/01/06