豊中市など3市1町の消防隊員らが鉄道災害時救出訓練
鉄道災害時に安全で迅速な救助活動ができるように、北大阪急行電鉄の桃
豊中市、吹田市、箕面市、豊能町の3市1町の消防隊員20人と電鉄職員20人が参加。災害時の緊急連絡体制や鉄道車両の基礎知識を学んだほか、ホームから転落し列車の下敷きになった人を救出する想定訓練を、実際の車両を用いて行った。電鉄鉄道事業部副部長の中務安雄さんは「北大阪急行電鉄の線路は高圧の電流が流れており、非常に危険。こういった設備などを理解し、訓練に臨んでほしい」と話した。
2002年11月6に、JR西日本東海道本線塚本駅~尼崎駅間で発生した人身事故の被害者を救助していた救急隊員2人が、後続の特急電車にはねられ死傷した。この事故を受けて2005年2月、全国消防長会近畿支部の各消防機関と大手電鉄会社との間で「鉄道事故時の安全対策に関する覚書」が交わされ、通報体制や救助・消防活動時の安全に関するルールづくりが進められてきた。
鉄道災害時の安全対策研修会は、豊中市からの呼び掛けで2005年度から、吹田市と北大阪急行電鉄と合同で開いている。今回は消防隊員の要望により、ホームで災害が起こったことを想定しての訓練を実施した。箕面市と豊能町も参加した。
研修会では、電鉄職員から、車両の重量や材質、高圧電気機器に関する注意点などの基礎を学んだ後、消防隊員らは車庫に移動。駅のホームで災害が起こったことを想定した訓練が、2に分かれて行われた。1組は、ホームから転落し車両の下敷きになった人を、油圧ジャッキを使って車両を持ち上げて救出。もう1組は、転落した人を救出しようとホームへ降り、線路のすぐ側にある給電用のレールに触れ感電した人を救出した。豊中市消防局の森下裕也さんは「普段の訓練とは違う場所で、貴重な体験ができた。起こらないのが一番だが、万が一に備えこの経験を生かせら れるようにしていきたい」と力強く話していた。
=情報提供・豊中市(梶川伸)2015.12.09
更新日時 2015/12/09