庄内西小学校で「人権教育講演会」 障害者野球の日本代表選手が講師
豊中市立庄内西小学校(庄本町4)で10月20日、障害者野球の日本代表選手として活躍する中井三朗さん(31歳、宝塚市在住)を講師として迎え、人権教育講演会が開かれた。中井さんは、事故で右手が不自由になった時の気持ちや、目標を持って人生を送ることの重要性、自分を支えてくれる周囲の人たちへの感謝の思いなどを語った。また、左手だけでのバットスイングを披露したほか、児童とキャッチボールも行い、中井さんの力強いスイングや見事なグラブさばきに、児童から歓声があがった。
中井さんは、1996年、17歳の時に単車事故で利き手だった右腕の自由を失った。小学1年生から野球を始め、当時は高校の野球部でエースをつとめるなど、野球が生活の大部分を占めていた。中井さんは地元のソフトボールチームにも所属したが、野球への思いは捨てがたく、24歳の時に障害者でつくる野球クラブチームの強豪「神戸コスモス」(神戸市西区)の存在を知り、練習を見学に訪れた。車いすや義足などハンディキャップがある人たちが楽しそうにプレーする姿に感動し、神戸コスモスに入団。好きな野球ができる喜びを取り戻したという。
2006年からは日本代表の一員として世界大会でも活躍。11月6日、7日に日本、米国、韓国、台湾、ベネズエラが参加して神戸スカイマークスタジアム(神戸市須磨区)で開かれる第2回世界身体障害者野球大会(主催=日本身体障害者野球連盟)にも出場する。
この日の講演会で中井さんは、「最初からあきらめないで挑戦してみることで人生が変わる」「夢中になれるものをやりとおしてほしい」「たくさんの人に支えられて生きているので、友人を大切に」などと児童に語りかけた。=情報提供・豊中市(早川方子)
更新日時 2010/10/20