豊中・健康展 行岡医師に聞く
第35回豊中市民健康展が9月19日、曽根東町3の豊中市民会館と中央公民館で開かれる。この10年、豊中市民健康づくり協議会会長として市民健康展を取り仕切ってきた行岡眼科(新千里南町2)の行岡陽子さんは、「回を重ねるごとに規模が大きくなり、市民まつりのようなイベントになってきた」と話す。
行岡さんは、1970年に眼科を開業した。40年間、第一線で診療を続けている。53歳の時に夫の宗彦さん(当時53歳)を肝臓がんで亡くした。「『もっと生きたい。やりたいことがたくさんある』と言いながら死んでいきました。当たり前のことだけれど、健康でなければ何もできない」と話す。自身も10年前に子宮頚がんを患った。気付いた時には、がんは3期まで進行していた。「発見が遅れたのは検診を受けていなかったから。早期に分かれば、一生続くだろう副症状に苦しむことはなかったのかも知れない。検診の大事さが身にしみている」という行岡さんは、自身の体験も含め、予防医学を訴える。
市民健康展には、「自分の体は自分で守る。早期発見につながるように、自分の体の状態や健康に関心を持ってほしい」という行岡さんの願いが込められている。
76歳。「最近では、孫まで一家3代の診察も多くなった。眼科のほかに、食事、睡眠、家族間のトラブルに至るまで相談がある。まるでよろず相談所みたい」。自分ができると思う間は、眼科医を続けたいと話している。
市民健康展は午前10時~午後4時。身体検査、歯科健診、骨密度や体脂肪率測定、ストレスや脳年齢チェック、AEDを用いた心肺蘇生実技指導などの人気コーナーに加え、今年は乳がんの自己検診法を教えたり、ワクチンについての講演会、落語もある。初の試みとなる落語について行岡さんは「健康は笑いからよ」と言って、うふふと笑った。
参加は無料。問い合わせは豊中市健康支援室06-6858-2291。
(進藤郁美)
更新日時 2010/09/06