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豊中市の子ども条例 子どもたちの声を反映

ワークショップでカレーを作る子どもたち。「子どもたちは、すぐには意見を言わないので、まずは仲間づくりから始めて、話せる環境を作った」と豊中市こども未来部

 「私たちは一人ひとり違うよ、ちゃんとみて」「大人ができないことを、私たちにしなさいというのはおかしい」「女子は怒られないのに、男子が同じことをすると怒られる」「不公平やえこひいきをやめてほしい」「家族や友達と遊べる場所がほしい」――。
 子どもたちの声だ。豊中市が「子ども健やか育み条例」を制定(2013年4月)するために、小学5年生から中学3年生、高校生、新成人に分けてヒアリングした。子どもたちの意見を条例に反映させるためだ。保護者や支援団体などにも調査しており、ヒアリングは全33回、のべ293人が参加した。
 高校生は「勉強していても追い出されない場所がほしい」「大人の都合で、子ども扱いされたり、大人扱いされる」「将来のことを一緒になって考えてくれる大人がいない」など、居場所がないことや、大人が真剣に向き合ってくれないなどの声が多かった。保護者からは「親は小学校までに何をしたらいいのか」「自分で経験することが必要」のほか「子どもに鈍感力を付けてほしい」との意見もあった。
 市はヒアリング結果をもとに、子育ち、子育て、安心安全なまちづくりを条例の3本柱に据えた。「世の中を知る機会がほしい」「職業体験をしてみたい。進路が、夢がない」などの声を、第9条の2「事業者は、子どもが社会の仕組み及び職業に対する理解を深めるための機会の提供に努めるものとする」とした。市こども未来部こども政策室の濱政宏司さんは「あたり前の言葉が並でいるが、言葉を裏付ける現状がある」と語る。
 市が10年計画で進める子育て支援「こども未来プラン・とよなか」が、2014年度末で終了する。この条例は、2015年4月からの子育ち・子育て支援計画の中身に反映させる。(進藤郁美)

更新日時 2013/10/10


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