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細かな観察力で植物細密画 濱下富美子さん

濱下富美子さん(右)ともと子さん。もと子さんはモチーフの植物を、本で調べるなどサポートもする

 植物細密画(ボタニカルアート)は、葉脈の1本までを精密に描く絵画だ。池田市城南に住む濱下富美子さんは、数年前に市民ギャラリーで見た作品に衝撃を受け、80歳を過ぎて教室に通い始めた。今は教室の合同展のほか、2年前からは年に1度のペースで、池田栄本町郵便局の壁ギャラリーを借りて個展を開き、訪れた人の関心を集めている。
 ボタニカルアートは大きさも含めて実物と同じように描く。そこには画力はもちろん、観察力も必要だ。「だから、同じモチーフでも描く人の性格で作品も変わる」という。濱下さんは1度描き始めると、食事も忘れて没頭する。途中で休憩すると、色合いが変わってしまい、バランスが悪くなるらしい。
 若いころから細かい作業は得意で、和裁や洋裁もお手の物だ。「戦後すぐは物がなく、娘3人の服は全部自分で仕立てた。箕面の繊維工場で、子どもの服やドレスの型紙も作った。よく働いた手ですよ」と、その甲をさする。「今は家事は娘に任せて、気ままにやってます」と話し、同居する3女、もと子さんと笑い合った。
 2014年1月に、栄本町郵便局で手編み物作品展も予定している。(礒野健一)

更新日時 2013/05/08


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