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落語みゅーじあむ

落語みゅーじあむには毎日のように通う人もいる

 昨年スタートした社会人落語日本一決定戦が大反響を呼び、落語文化の拠点として定着しつつある池田市に、入場無料の上方落語資料展示館「落語みゅーじあむ」がある。

 昭和初期の古い家屋を改築したレトロな館内には、本物の高座や噺(はなし)家の部屋のほか、上方落語のDVDやCD、書籍などが豊富に揃っている。また、4台の大型ディスプレイでは昨年の社会人落語日本一決定戦や上方落語の歴史について放映している。気負うことなく落語の世界に触れられるのが特徴だ。

 もともと池田市は、古典落語の「池田の猪買い」「池田の牛ほめ」の舞台になっているように、落語文化が広く浸透した土地だった。猪名川の川岸には芝居小屋「呉服座」が建ち、著名な噺家たちが集まって寄席を開いていたという(呉服屋は現在、愛知県犬山市の明治村に移築されている)。庶民にとって大切な娯楽場であり、交流場であり、文化継承の場でもあった。

 平日は市内から、週末は大阪市など市外からの来場者が多い。お気入りの噺家のDVD集を全巻見るために、週に何度も通う常連客の姿も目立つ。

 昼休みを利用して、ほぼ毎日通っているというハローワーク相談員の高木一郎さん(52)は、「1日1回、クスッと笑うことで気分転換ができ、日々のストレスが和らぐ。仕事にも良い影響が出ている」と話す。落語の町、池田市にふさわしい憩いの場が現代に復活したようだ。(早川方子)

【落語みゅーじあむ】
池田市栄本町7-3▽11~19時▽火曜、年末年始は休館▽電話072-753-4440▽入場無料

落語みゅーじあむ 社会人落語日本一決定戦

更新日時 2010/08/11


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