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クリニックで生まれるコミュニティー 矢吹産婦人科

約80平方メートルの広い部屋にはおもちゃがいっぱい。対象は0~5歳児。希望によって食事も用意される

 豊中市少路2、オピタル矢吹産婦人科は産科、婦人科、内科、小児科が連携する複合医療施設として4年前に建てられた。自然出産のための最新設備と、ホテルのような快適な病室などが人気のクリニックだ。最近では医療だけでなく、美容、健康、育児までサービスが広がり、地域の女性からさらなる注目を浴びている。
 院長の矢吹寛さんは「人が人を産み育てるのは大変なこと。お母さんたちがリラックスして、楽しむことができる場所になれたら」と、クリニック内に託児所やヨガ教室、エステ、カフェなどさまざまな施設を展開してきた。なかでも託児所「CouCou(クゥクゥ)」は、子連れで診察を受ける人や入院患者、各種教室やエステの利用者は無料で利用でき、大変な人気だという。
主任保育士、大杉千夏さんは託児所の人気ぶりに驚きつつも「安心して子どもを預ける場所は少ないんだな、と実感しました」と話す。子どもたちの相手をするのは経験豊富な女性保育士2~4人。取材した日は3歳くらいの男の子が託児所に入るのを泣いて拒否していたが、30分後には保育士の膝の上に座っていた。
 一般に開放されている施設もある。1階にあるオーガニックカフェ「nou・nou(ヌゥヌゥ)」は、生後5~6カ月の子どもメニューから、カロリー控えめな大人メニューまでそろえている。「子ども連れだと社会から邪魔者扱いされると言うお客さまがいました。そういう話を聞くと切なくて。ここでは大歓迎ですよ」と話すのはスタッフの西村笑子さん。利用客からは「子どもを連れて出かける場所はなかなかないのでうれしい」との声が聞かれた。
 矢吹産婦人科は、このほかにも孫育て教室、妊婦のためのマタニティビクスなど、20近くの教室やサークルなどを展開しており、医療施設を越えた地域交流の場になりつつある。(早川方子)

更新日時 2012/05/10


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