1年育ててホタルの夕べ 豊中で6月3~5日
豊中市原田南1の新豊島川の「蛍の里」で、ホタルが飛び始める季節が近付いてきた。6月3日~5日には市が「ほたるの夕べ」を開く。
新豊島川は原田南1~名神口3を流れる約5キロの人工のせせらぎで、1986年に完成した。近くの猪名川流域下水道原田処理場(原田西町)の高度処理水が流れる。蛍の里は水路の中ほどにある。羽化したホタルが飛び去らないよう網が張ってあり、蛍ドーム(全長51メートル、幅12メートル、高さ6メートル)と呼ばれている。1989年からホタルの時期に、市が一般公開している。
ここで見られるゲンジボタルとヘイケボタルは、市水路課そ族昆虫対策係が水路課維持事務所(稲津町)のコンテナケースで飼育している。市がホタルの飼育を始めたのは1981年。飼育に足掛け20年かかわってきたそ族昆虫対策係の湯室隆生さんは「ホタルの人工飼育の成功は大阪府の中でも豊中市は早かったと聞いている」と話す。
そ族昆虫対策係はハチやネズミの駆除、相談にあたる部署。以前はホタル専属の職員がいたが、今は係に所属する9人の職員が水の入れ替えや餌やりをしている。
餌は芦田ケ池(曽根東町)に設けた養殖場のヒメタニシ。殻を砕き、貝を切り身して与える。ホタルの幼虫の大きさに応じて、切り身のサイズや分量を調整する。ゲンジボタルにはカワニナが良いが、採取が難しくなり、ここではゲンジにもヒメタニシを使う。「エサを与えすぎると水が汚れ、病気の原因になるので1日1食」だそうだ。
1年かけて育てたホタルの幼虫約1万匹を3月下旬に放流した。「今が1番緊張する時期。どのぐらいが羽化して、飛んでくれるのか。今年は寒かったので、遅れ気味かも」と湯室さんは気をもむ。係長の甫立徳人さんは「真上をごう音の飛行機が飛ぶが、ホタルには関係ないのかも」と笑っていた。
「ほたるの夕べ」は午後7時40分~9時40分、蛍の里(阪急バス原田中1丁目バス停から徒歩5分、阪急曽根駅から徒歩15分)。雨天決行。入場無料。豊中市水路課06-6864-6661。
(進藤郁美)
更新日時 2011/05/25