編集長のズボラ料理(909) トマトとチーズの卵焼き
アパートに住んでいるが、1階なので小さな庭がある。僕は花咲かじいさんになりたいと思っているので、花をいくつか育てている。
しばらく前までは、アサガオ、ペチュニアなど、今はフジバカマ、キク、シュウメイギク、ミニバラ。小さな花園なので、年寄りが手入れするには都合がいい。灰をまく必要もない。
花以外もいくつか。一角にネギコーナーがある。スーパーでネギを買う時、根のついたものを選ぶ。根は使わないから、切り取って植える。やがて葉が伸びてきて、うどんやみそ汁の薬味くらいには使えるようになる。
最近は困ったことがある。根を切って売っているものが増えた。これでは花咲かネギじいさんに、なれないではないか。これは2、3年前からの傾向だ。
似たようなことが、スーパーの大根で起きている。こちらは根ではない、ほとんどは葉を切って売っている。これは困る。
僕はお客さんがあると、よくサーモンの押しずしを作る(編集長のズボラ料理81回)。サーモン以外に、大根とその葉も使う。おいしいかどうかは別だが、僕が気に入っているのは、サーモンピンク、白、緑の色合いなのだ。だから、葉は欠かせない。それなのに、10年ほど前から葉なしにしているから、話にならない。
サンショウもある。僕がサンショウ好きなので、グルメで料理名人の友人が、兵庫県・朝倉の実サンショウと葉サンショウの苗を1つずつくれた。小さな庭に植え、実サンショウは枯れてしまったが、葉サンショウは高さ30センチほどでしぶとく生きている。
葉は摘んで料理の添え物や薬味に使う。ただ、困ったことがある。僕と同程度にサンショウ好きな何者かがいて、葉を食べる。目撃したことはないが、虫だろう。しかも一気に食べる。朝摘みに行くと、丸裸になっていることがある。
そうなると、また葉が出るのを待つ。出初めの小さな葉は可愛い。そう思って摘まずに成長を待っていると、全滅してしまう。食うか食われるかの争いになる。
その点、スイートバジルは心配ない。少しだけ植え木鉢にあるが、葉を切って使っても使っても、新しい葉が出てくるから、気にすることなく食べ続ける。
ボウルに卵を割り入れ、少しだけ牛乳も入れ、コショウ、塩をふって混ぜる。ミニトマトを輪切りにする。卵焼きのフライパン(なければ普通のフライパン)にオリーブオイルとバターを入れて弱火で熱し、卵を流し込む。卵の上に素早くトマトとスイートバジルを並べ、さらにとろけるチーズも乗せて蓋をし、蒸し焼きにする。
花咲かじいさんになるのは結構難しい。気がつけば、ただのじいさんだけになっている。(梶川伸)2026.10.25
更新日時 2026/10/25